レジン充填

レジン充填により歯の削除量を最小限に抑え、白い自然な歯を取り戻すことができるだけでなく、歯をレジンと接着させて一体化することにより強度が倍増します。

レジン充填の効力を100%発揮させるため、歯科用マイクロスコープとレジン充填剤(保険適応外)を使用することにより、歯の色をほぼ元通りに復元できます。さらに、積層充填により透明感のある美しい歯を再現することが可能となります。

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  1. 最少の侵襲で最大限の効果を引き出すレジン充填
  2. レジン充填の治療手順
  3. レジン充填のメリット
  4. 歯質接着性
  5. 積層充填   
  6. プロキシマル・ダイレクトベニア
  7. アイコン
  8. アイコンシステム

負担は最少、しかし最大限の効果を引き出すレジン充填

虫歯菌に感染して歯が軟化し穴が開いた状態の虫歯を治療するには、虫歯菌に感染した歯質を全て削り取った後、何らかの手段で元の形に復元する必要があります。その際、最も歯にやさしく、復元性の高い治療法がレジン充填です。

レジンは歯の色に近い白色の材料で、型取りをする必要もなく、その場でただ詰めるだけです。歯の形の再現には細かいテクニックが必要とされるため、当然細心の注意を払うものですが、その際に強力な味方になるのが歯科用マイクロスコープ〈顕微鏡〉です。

当クリニックでは、歯科用マイクロスコープを駆使して上質なレジン充填を実施しています。歯の色を正確に再現するためには、色の異なる幾つものレジンを使い分ける必要があることから、保険適応外の高品質なレジンを用いた治療を中心に行っています。

治療費 59,400円

治療前

治療前

治療後

治療後

レジン充填の治療手順

ラバーダム防湿

治療予定の歯や周囲の歯にラバーダムを掛けることにより、治療部分への唾液の侵入と薬液の口やのどへの拡がりを防止します。

ボンディング剤の塗布

窩洞の前面にボンディング剤を塗布することにより、エナメル質と象牙質の両方がレジンと接着できるようになります。

レジンの積層充填

保険適応外のレジン充填剤を使用し、象牙質の部分からエナメル質の部分へと順番に積層充填します。

表面研磨

充填したレジンの表面を専用器材で丁寧に研磨します。レジン表面の未重合層という不完全な層を研磨によって除去し、滑らかで艶のある仕上がりを実現します。

治療費 59,400円

レジン充填のメリット

虫歯の穴を修復し、元のような歯の形にする方法には2通りあります。穴に直接詰め物を入れて固める方法と、型取りして作った詰め物をセメントで取り付ける方法で、前者を直接修復、後者を間接修復といいます。

間接修復は余分な凹凸がないように虫歯の穴を削って歯の形を整えた後、型取りを行います。つまり、虫歯でない健康な歯の部分(健全歯質)も余分に削ることになります。これに対して、直接修復は健全歯質をできるだけ削らず、歯にやさしい治療を行うことが可能です。

直接歯に詰める材料にはアマルガム、金箔、セメント、レジン(コンポジット・レジン、CR)があります。レジンには他の充填材料にない優れた性質があり、歯と接着させて充填することが可能です。一方、アマルガムや金箔、セメントでは虫歯でできた穴に充填して固めても歯と接着することはできません。グラスアイオノマーセメントというセメントのみが歯と接着可能ですが、それでもレジンほどの接着力はありません。歯と強力に接着し、一体化して十分な強度を保つことができるのはレジンのみです。

レジンのもう一つの特徴として、一目でわかる「歯の色に近い白さ」があります。この点もまた、他の材料にはないレジンの大きな優位性です。かつて虫歯で穴が開いていたとは思えないほど、自然な仕上がりを実現できる材料はレジンのみなのです。

治療費 59,400円

歯質接着性

レジンと歯質(エナメル質や象牙質)を強力に接着させる材料を、ボンディング剤といいます。ボンディング剤はエナメル質の表面をわずかに溶かして微細な凹凸を作り、その部分にレジンが入り込んでがっちりと歯と結合します。ボンディング剤の主成分であるレジンが象牙質内部の象牙細管の中まで入り込み、レジンと歯質が混じり合った「樹脂含浸層」を形成します。この樹脂含浸層が、レジンと歯質を接着させる媒介部分となります。

アマルガムや金箔、セメント(の大部分)では歯質と接着しません。充填物と歯質の境界部分が細かく剥離して隙間が生じやすいため、いつまでもしみて痛む、虫歯が再発しやすいなど、治療後多くの問題を残しがちです。これらの観点からも明らかにレジンに優位性があり、その歯質接着性は極めて優れた特質であるといえます。

治療費 59,400円

積層充填

虫歯で生じた穴にレジン充填をして復元する際、重要なのが歯の色も元のように再現することです。充填した部分と周囲の健全歯質との色合いに違いがあると、目立ってしまうからです。充填用のレジン剤には何種類もの色が取り揃えられ、この中から最も歯の色に近いレジンを選択して充填するのですが、それほど単純な作業ではありません。

歯の色は単調な白色ではなく、黄色やオレンジ色、茶色、青色などが混じり合った複雑な色彩を持っています。歯先(切端)の部分と歯肉に近い(歯頚部)部分では色が異なるだけでなく、半透明か否かという相違点もあります。表面と深部でそれぞれ異なった色が重なり合い、複雑な形状から歯の色ができているのです。透明度についても、歯の中心部と切端部ではかなりの差があります。

このように歯の色はさまざまな要因から決定されるため、単純に特定の色のレジンを選んで充填しても元の色にはなりません。歯の色を忠実に復元するためには、歯の部位ごとにレジンを選んで使い分けるだけでなく、表面のエナメル質と内部の象牙質の部分で透明度の異なるレジンを重ねて使う必要もあります。この方法を「積層充填」といい、自然な歯の色を再現するためには必要不可欠なテクニックです。当クリニックでは、希望した方に対して保険適応外の積層充填用剤を用いたレジン充填を行っています。

治療費 59,400円

プロキシマル・ダイレクトベニア

上顎の中切歯の間が開いていてすきっ歯になっている場合があります。このような状態を正中離開といいますが、見た目が悪いことは間違いありません。この隙間をレジンで埋めてなくす方法をプロキシマル・ダイレクトベニア法といいます。左右の中切歯の側面(近心面)にレジンを築成し、歯の幅を拡げます。

venia治療前

治療前

ベニア治療後

治療後

 治療例

正中離開に対するプロキシマル・ダイレクトベニア法の治療例

アイコン

表層下脱灰病変の治療法

虫歯のでき始めは歯の表面が白くなるだけでまだ穴が開くまでではありません。白くなったエナメル質の内部はカルシウムやリン酸が溶け出し、構造的に弱くなっています。このような状態を「表層下脱灰」といい、虫歯の最初期の段階です。
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この時期に弱くなったエナメル質内部の病巣にレジンを注入すると構造的に強くなり、虫歯で穴があく事態を防止できます。この目的で開発されたのが「アイコン」システムです。


治療費 16,500円(1本)

アイコンシステム

弱くなったエナメル質を補強する

アイコンシステムは3つの材料からなっています。

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これらを順番に使用することにより、表層下脱灰により弱くなったエナメル質の内部を補強してくれます。

 

アイコン・エッチ

15%の塩酸を含む緑色のジェルです。歯の表面に2分間塗布(エッチング)ことにより、白くなったエナメル質の表面に細かい穴を開け、レジンが浸透できるようにします。

アイコン・ドライ

エタノールが入った無色の液体です。歯の表面に30秒間塗布することにより、エッチングで生じた穴を脱水、乾燥させます。

アイコン・インフィルトラント

レジンを含む黄色味を帯びた液体です。エッチングした歯面に塗布して3分間待ちます。この間にレジンが表層下脱灰病巣に浸透します。光照射器で光を当ててレジンを重合(硬化)させたら完了です。