東京慈恵会医科大学痛み脳科学センターの加藤総夫教授の講演です。急性痛は危険を教えてくれる警告として私たちの体を守ってくれています。一方で慢性痛には得する部分がありません。ではなぜ慢性痛が生じるのでしょうか。
マダコは傷ついた腕だけでなく、他の腕や胴体でも触覚に対する過敏を示します。痛覚過敏があるということです。怪我をした場所を記憶しておくとその後は避けることができます。痛みの記憶によって危険を避けることができ、生存確率が上がるという、慢性痛のよい面があるということです。
ヒトにも慢性痛のよい面があるのでしょうか。
Crook, R. J. (2021). Behavioral and neurophysiological evidence suggests affective pain experience in octopus. Iscience, 24(3).