口腔内外の痛みやしびれ、違和感、異常感などを訴える患者さんの診療を日々続けています。神経の感覚低下や感覚過敏、筋肉の凝り、口腔粘膜の乾燥などの他覚所見が見られる場合もありますが、本人の訴え以外に何も異常が見いだせず、どこが悪いのかさっぱりわからないこともあります。
結局は脳の問題に行き着くことになりますが、脳のことはよくわからないことばかりです。論文を読んでも、断片的な知識が増えるばかりで、それぞれのつながりがわかりません。結局、知れば知るほどわからなくなります。
そのようなわけで、わかりやすい読み物があると飛びついてしまうことになります。著者は大阪大学理学部教授から生命機能研究科教授に移り、現在は退官して名誉教授となっています。東京大学理学部卒業で東京出身ですが、本書では大阪弁も登場します。