抗精神病薬の副作用の1つに誤嚥性肺炎があります。この書では3通りの機序が説明されています。
ドパミンD2受容体を遮断することで錐体外路症状が生じ、むせて嚥下運動ができなくなる。むせている最中に誤嚥してしまう。
ドパミンD2受容体を遮断することで錐体外路症状が生じ、嚥下反射が低下することで不顕性誤嚥が生じる。
ムスカリン受容体(M3?)を遮断することで食道平滑筋の収縮運動が低下します。その結果、徐々に食道が拡張して食塊が食道に停滞しやすくなり、横になると逆流して誤嚥する。
この書にはムスカリン受容体(M3)遮断による唾液分泌の抑制については触れられていません。唾液分泌量が低下すると食塊形成が難しくなり、誤嚥しやすくなります。また、唾液の抗菌作用が低下することで口腔・咽頭の細菌が増殖し、肺炎に罹りやすくなります。