ひぐち歯科、口腔外科・口腔内科メディカルインフォメーション |

電話:072-646-8445

『抗精神病薬をシンプルに使いこなすためのExercise』3

学会・研究会 2023年07月07日

抗精神病薬の副作用の1つに誤嚥性肺炎があります。この書では3通りの機序が説明されています。

ドパミンD2受容体を遮断することで錐体外路症状が生じ、むせて嚥下運動ができなくなる。むせている最中に誤嚥してしまう。

ドパミンD2受容体を遮断することで錐体外路症状が生じ、嚥下反射が低下することで不顕性誤嚥が生じる。

ムスカリン受容体(M3?)を遮断することで食道平滑筋の収縮運動が低下します。その結果、徐々に食道が拡張して食塊が食道に停滞しやすくなり、横になると逆流して誤嚥する。

この書にはムスカリン受容体(M3)遮断による唾液分泌の抑制については触れられていません。唾液分泌量が低下すると食塊形成が難しくなり、誤嚥しやすくなります。また、唾液の抗菌作用が低下することで口腔・咽頭の細菌が増殖し、肺炎に罹りやすくなります。

『抗精神病薬をシンプルに使いこなすためのExercise』3

ページの一番上へ