小さい頃から歯並びがよい子どもがいる一方で、出っ歯や八重歯、受け口など歯並びが悪い子どももいます。歯並びを良くするには矯正治療が必要なことはご存知でしょう。しかし、必ずしも矯正治療が必要というわけではありません。人間の体には生まれつき歯並びをよくする力が秘められているのです。きれいな歯並び
そんなうまい話があるものかと思われるかもしれません。まあまあ、そう決めつけないでこの後の話を読んでみてください。最後まで読んでいただければ、納得していただけるはずです。
生まれたばかりの口の中には歯はまだ1本も生えていません。生後8か月か9カ月で下の前歯から順番に乳歯が生えてきます。乳歯が生えてくるのは歯槽堤という顎の骨の上部の盛り上がった部分です。生えて来たばかりの乳歯は外側(唇側)や内側(舌側)にずれることもありますが、やがて内外側の中間のちょうどよい位置に移動していきます。
このように都合よくちょうどよい位置に歯を移動させるのは唇と頬と舌のおかげです。唇と頬は歯を内側に押します。反対に舌は歯を外側に押します。両署の力がちょうど釣り合う位置、すなわち歯槽堤の真ん中に歯が落ち着くわけです。
歯が順番に生えてくると、唇と頬と舌の力によって自然にきれいな歯並びが完成していきます。どうですか、簡単な理屈でしょう。歯並びを良くする条件は唇と頬と舌の力のバランスを整えればよいのです。逆に言うと、このバランスが崩れるために歯並び悪くなってしまうのです。そして、バランスが崩れる2大要因は「口呼吸」と「舌癖」です。