インプラントは、アゴの骨に埋め込む人工歯根(フィクスチャー)とその上にかぶせる人工歯、そして両者をつなぐアバットメントからできています。従来からのインプラントの弱点は、フィクスチャーとアバットメントの連結が緩みやすいという点です。つまり、インプラントの人工歯を使用している間に、徐々にアバットメントが緩んで人工歯が動揺するようになり、咬み合わせが狂ったり、インプラントのいずれかのパーツが壊れたりするのです。最悪の場合は、インプラントを支えるアゴの骨が吸収して少なくなり、インプラントそのものを撤去しなくてはならず、新しいインプラントを埋め込むことすらできなくなる場合があります。この場合は、入れ歯(義歯)を作る以外に方法は残されていません。
そこで、この問題点を解決できるのが、カムログインプラントシステムです。これは、25年にわたる基礎と臨床研究に基づいてドイツで開発された最新システムで、フィクスチャーとアバットメントの連結部分が緩みにくいように特別の機構を備えています。
従来法では、フィクスチャーとアバットメントをねじできつく締め付けるのが特徴ですが、かむ力によってこのねじは徐々に緩んでくる場合があり、定期的にねじの緩みをチェックカムログインプラント(フィクスチャー)し、緩んでいれば締め直す必要があるのです。ところが、カムログインプラントではフィクスチャーの内面に3ヶ所のくぼみ(ノッチ)を付けてあり、アバットメントの外面には3ヶ所のふくらみ(カム)が付けられています。従って、これらのノッチとカムが精密に嵌合することにより(カムログコネクション)、フィクスチャーとアバットメントが一体化し、緩みのないままでインプラントを長持ちさせることが可能となるのです。このように、カムログインプラントは従来法の難点を克服した、大変優れたシステムであるといえます。