カンジダ菌採取急性偽膜性カンジダ症(鵞口瘡)のように、白苔を容易に拭い取ることができるという特徴を持つタイプは少数派で、ほとんどのカンジダ症の診断には詳しい検査が欠かせません。また、たとえ詳細な検査を行っても確認できないケースがあり、抗真菌剤による治療が効を奏してはじめて、カンジダ症であったと診断できる場合もあります。
塗沫鏡検
口腔粘膜を綿棒や歯科用ミラーでこすってスライドガラスになすり付け(塗沫)、ギムザ液などで染色して顕微鏡で観察します(鏡検)。その標本中に酵母や菌糸が確認できたら、カンジダ症であると診断します。
白板症や紅板症、扁平苔癬、口腔ガンなどが疑われる場合は病変部分を切り取る生検を行い、切り取った組織を薄くスライスしてスライドグラスに張り付け染色します。これを顕微鏡で検察し、標本中に酵母や菌糸が確認できたらカンジダ症と診断します。また、PAS染色液に染まった場合もカンジダ症の可能性が高いと判断します。ギムザ液にて染色
カンジダ培養検査
口腔粘膜から採取した検体を寒天の上で48時間培養した後、カンジダ菌の塊(コロニー)が生えてきたらカンジダ菌の存在が確定します。ただし、カンジダ菌は元来口腔に棲息する常在菌なので、カンジダ菌の存在イコールカンジダ症の診断とは至りません。