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ノベルジン

病気 2018年04月28日

ウィルソン病という高銅血症を呈する病気があります。食物から体内に取り込まれた銅はエネルギーの産生や活性酸素の除去、神経伝達物質の産生などの働きをします。腸管から取り込まれると最初は門脈を通って肝臓に運ばれ、余分な銅は即座に胆汁として腸管に戻され、最終的に大便として体外に排泄されます。
ウィルソン病は第13番染色体のATP7B遺伝子が変異することによって起こります。その結果、銅が胆汁中から排泄されずに甘草にとどまり、全身の銅濃度が上昇する事態を招きます。肝臓の細胞や脳のレンズ核が変性することから肝レンズ核変性症ともいわれます。
ウィルソン病に対してはメタルカプターゼカプセル(キレート剤)かメタライト(キレート剤)が第一選択役ですが、ノベルジン(酢酸亜鉛)も補助的に使用されます。腸管内で亜鉛が銅の吸収を妨げる働きがあるからです。
 

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