中松耕治先生(飯塚病院歯科口腔外科)の「口腔顔面痛に役立つ神経解剖学」の講演中に紹介されたのがハッチンソン徴候(Hutchinson’s sign)でした。ハッチンソンといえば先天梅毒に特徴的な3つの特徴であるハッチンソンの3徴候と覚えていましたが、ハッチンソン徴候は別物でした。
ハッチンソン徴候は三叉神経第一枝に発症した帯状疱疹で生じます。三叉神経第一枝(眼神経)は目の周囲や前額部、頭頂部の他に鼻背部も支配領域です。鼻背部に帯状疱疹による皮疹が見られると、鼻毛様体神経を介して角膜炎、ブドウ膜炎を併発することが多く、失明のリスクがあります。
Frary, Johanna, Pelle Trier Petersen, and Manan Pareek. “Hutchinson’s sign of ophthalmic zoster.” Clinical Case Reports 8.1 (2020): 219-220.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdfdirect/10.1002/ccr3.2596