小児歯科学教室の仲野和彦教授の講演は虫歯菌であるミュータンスレンサ球菌についてでした。ミュータンスレンサ球菌の中の1割にコラーゲン結合タンパクが表面に存在し、コラーゲンとくっつきやすい特徴があります。1割の人はこの性質のために感染性心内膜炎や脳出血を起こしやすいということです。
歯周病や口内炎などで口腔粘膜に潰瘍ができるとミュータンスレンサ球菌は血管内に侵入し、全身に運ばれます。コラーゲン結合タンパクが表面に存在するミュータンス連鎖球菌は心臓に入ると内膜を肥大させます。また、脳血管に入ると脳出血が生じやすくなります。
仲野和彦, and 大嶋隆. “口腔細菌における循環器疾患に対する病原性の追究 Streptococcus mutans における研究成果を足がかりに.” 小児歯科学雑誌 48.1 (2010): 1-10.