生まれたときは誰も歯が生えていませんが、生後半年もすると歯が生えてきます。歯が生える前の顎の骨と比べると、歯が生えた後は歯の周囲の歯槽骨が加わることで顎の厚みが増します。歯周病などで歯が抜けると歯槽骨がなくなり、再び顎が小さくなります。
歯の喪失により、上顎唇側の歯槽骨がなくなり凹んでしまうのですが、歯の脱臼後の再植や亜脱臼により生じることがある「アンキローシス」でも、上顎前歯唇側歯槽骨の吸収が上顎前歯唇側歯根の吸収とともに生じることを知りました。
補足ですが、アンキローシスと歯根の周りを覆っている歯根膜が脱臼などの外相によって失われることによって生じる現象です。歯根と歯槽骨は歯根膜によって隔てられていますが、歯根膜がなくなると歯槽骨と歯根が一体化し、歯根がその表面から徐々に歯槽骨に置き換えられていきます。