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下顎骨腫瘍

メール相談 2019年06月07日

【相談者】40代 女性  A
大学病院で10年近くかけて歯列矯正をしていた18才の姪が大学進学となり、最後のレントゲンをとったところ、顎に黒く映る部分があるとのことでCTを。すると、顎の骨の一部がかなり深いところまで骨でなくなっている、5月初めに口内切除で組織検査をし、結果次第では5月下旬に顎を切開してワイヤーをいれる2-3ヶ月入院の手術になる、と言われたそうです。大学も留年を覚悟してほしいと。顔の形も今のままではなくなるかもしれないとまで。女の子だし、痛みも何もない状態で、そんな手術をうけなければならないものでしょうか。突然の話に姉もお医者さんのいうままのようで、私としては心配です。 詳しい症状がわからないので、お訊ねしていいものかどうかと思いましたが、何かいい方法があるように思い、ご相談させていただきました。少なくともセカンドオピニオンはうけたほうがいいのではと思いますので、セカンドオピニオンに関するネット検索をして当サイトにたどりついた次第です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
こんにちは。ご心配はお察しします。
下顎の病気についてですが、いくつかの可能性が考えられます。最も深刻なのは骨肉腫など、肉腫系の悪性腫瘍です。この場合は、周囲の骨や筋肉を含めて(頬や舌も)広い範囲で切除する必要があります。また、再発や転移の可能性が高く、緊急の治療を要します。しかしながら、腫れがないことや検査のスケジュールが比較的ゆっくりしていることから、この可能性は低いと思われます。
今回の場合、可能性が高そうな疾患はエナメル上皮腫と角化嚢胞性歯原性腫瘍(以前は歯原性角化嚢胞と呼ばれていました)です。いずれも良性腫瘍ですが、再発しやすいため腫瘍の周辺の骨を含めて取り除く必要があり、術後は顔面の変形などが残る場合があります。そのため腫瘍をすべて取り除くことはせず、一部の切除により腫瘍を縮小させる開窓術を行う場合があります。このような点についてを相談されてみてはいかがでしょうか。

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