まず、乳幼児の口臭について説明します。最近の育児では、3歳までに重要な舌や口輪筋の機能を鍛えることをしなくなりました。その結果、鼻呼吸に重要な役割を果たす口輪筋の発達が未熟となり、口呼吸の習慣がつくと考えられます。口呼吸は、口腔内を乾燥させ自浄性が低下するため耳鼻科系器官の発達も未熟になりがちで、将来的には慢性的なアレルギー疾患、喘息やアトピーを誘発する可能性もあるため、口呼吸習慣の是正は重要課題といえます。また、舌の機能低下の傾向もあるため、笛やハーモニカなどのお口を使った遊びを積極的に取り入れるとよいでしょう。
次に子供の口臭ですが、話をしていないとき、つまりお口を閉じているときに口臭がある場合は耳鼻科や呼吸器科の疾患の疑いがあるため、まず小児科の受診をお勧めします。ただし、口呼吸をしている場合は虫歯や歯垢による単純性歯肉炎、また細菌学的な衛生不良が原因と思われます。手順としては小児科と小児歯科の両方を受診し、その上でだらだらとおやつを食べる習慣や口呼吸をやめさせ、お口の中を常に清潔に保つように心がけましょう。