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乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない

乳歯は6歳から12歳にかけて順番に抜け、代わりにその下の永久歯が生えてきます。永久歯が顎骨の中で形成されてくると、乳歯の歯根は永久歯に圧迫されて徐々に短くなっていき、ぐらぐらして最終的には自然に抜けてしまいます。
生え代わりの時期でもないのに乳歯が抜けてしまうと、永久歯の完成までにはまだ間があるため、永久歯はなかなか生えてきません。
実際にはあまり見られないケースですが、「低ホスファターゼ症」という病気が原因です。この病気は硬く成熟した骨ができないため、歯根表面のセメント質もしっかりと安定せず、歯がぐらぐらして早期に抜け落ちてしまうのです。
低ホスファターゼ症は全身性の遺伝性の病気で、ALRL遺伝子に変異が見られます。そのためアルカリフォスファターゼという酵素の活性が低下して、骨の石灰化が障害されるのです。重度の低ホスファターゼ症が新生児期に発症すると、呼吸障害などにより死亡することが多いとされていますが、軽症の低ホスファターゼ症では症状がほとんどなく、乳歯の早期脱落が唯一の症状という場合が多いのです。
乳歯が脱落すると数年間にわたってその部分では噛めなくなりますが、義歯を使用することにより、見た目と噛む機能を改善することができます。

抜けた歯・折れた歯の応急処置について

2017年07月03日

小児:抜けた歯の応急処置歯が抜けたとき、折れたときのいずれの場合でも大切なことは歯を乾燥させず、湿った状態のまま保存して歯科へ急ぐことです。そして、歯根膜を決して傷めないことが肝心です。歯を包むように形作られている歯茎と歯槽骨に埋もれている部分を歯根といい、その歯根の表面を被って歯を歯茎と歯槽骨にしっかりと固定してくれているのが歯根膜です。ところが、この歯根膜は乾燥にきわめて弱く、放置されると約18分で歯の根の周りの歯根膜が死んでしまい、治療が難しくなります。

そのため、抜けた歯・折れた歯を洗い清める場合には、十分な配慮が必要になります。具体的には、水道水の流水下で10秒〜20秒程度すすぎますが、このとき決して30秒以上水にさらしてはいけません。洗いすぎることによって、歯の根っこの表面の繊維を取り去らないことが重要なのです。また、たとえ汚れが付着していても決してアルコールや石鹸、塩水などは使わず、冷たい水だけで洗い流します。そして、手で持つ場合も歯の根っこは絶対に持ってはいけません。手で触って汚すと、感染の原因になります。

また、乾燥を避けるため歯はミルクを入れたフイルムケースか薬ビンに浸して持ち運びましょう。あるいは、ぬれたガーゼに歯を包んで、本人か親の頬と歯茎の間に入れて保存します。

歯が抜けたとき・折れたときのいずれの場合も、大切なことは歯を湿った状態で保つことです。そして、できれば30分以内に歯科へ行きましょう。2時間以上経過すると歯根膜が死んでしまい、治療後に歯と骨が癒着したり歯の根っこが溶けてしまったりして、治療が成功しにくくなります。

そして、歯科では「いつ、どこで、どのようにして起こったか」をしっかりと説明しましょう。30分〜1時間以内に治療を行うことができれば、歯を元通りの状態に戻すことが可能ですから、ご安心ください。

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