深呼吸するときは口でしますが、普段の呼吸は鼻でするのが正解です。鼻には吸気を加湿したり、温めたり、吸い込んだ空気中のチリを取り除いたりする働きがあります。しかし、口にはこのような機能はないため、口呼吸を続けると扁桃炎やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息になりやすくなります。アレルギー性鼻炎で鼻が詰まると口呼吸になるというのはわかりやすい理屈ですが、口呼吸が逆にアレルギー性鼻炎を引き起こすこともあるのです。
このように体に悪い口呼吸ですが、歯並びが悪くなる原因でもあります。口呼吸をしていると口が開いた状態が続き、唇で歯を外側から押さえる力が弱まります。その結果、歯が外側(唇側)に移動し、出っ歯になります。
口呼吸の原因として最初に思いつくのは鼻詰まりでしょう。風邪を引いて鼻が詰まれば口呼吸になることは誰もが経験することです。小さな頃に何かの拍子で鼻詰まりが生じると、口呼吸の癖がついてしまうことがあります。鼻詰まりが治っても口呼吸を続けている子どもは少なくありません。口の周りには口輪筋といって、その名の通り口を取り囲む筋肉があります。口輪筋の筋力の発達が弱いと口を閉じられず、口呼吸になってしまうこともあります。