大学卒業後に私は大阪大学歯学部第2口腔外科に入局し、同時に大学院に入りました。第2口腔外科出身者の同窓会が8月下旬に毎年開催されていたのですが、2020年、2021年は中止となり、3年ぶりに開催されました。
話題はどうしてもコロナになります。最初に挨拶された作田正義名誉教授は、欧米先進国と比較して日本のコロナ対応が後手をとった理由を考察されました。戦後の時期に結核などの感染症対策が一段落し、その後日本では感染症の病院も医師も資金も保健所の機能も縮小していきました。このような事情は欧米先進国も同様ですが、違ったのは軍に感染症対策の専門家や施設や資金が温存されたことです。というのが作田先生の推測です。
確かに米国、英国、フランスはアフリカ、中米、インド洋といった熱帯地域に基地を持っています。ドイツもマリに派兵しています。かの地では感染症対策が今も変わらぬ課題でしょう。
こう考えると、第7波の流行に対する国政の指導者や感染症専門家に対する批判は、不当なものだと思えます。彼らは超人的な努力を続けているのでしょう。