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口腔扁平苔癬の症状

病気 2018年01月11日
口腔扁平苔癬は白斑や紅斑が左右対称に見られます。好発部位は頬粘膜であり、同時に舌、歯肉、口底、口蓋、下唇といった粘膜にも病変が出現することが少なくありません。その肉眼的な形状の違いから下記のタイプに分類されますが、実際には複数の型が混在することがよくあります。
 
口腔扁平苔癬の原因
口腔扁平苔癬の原因については諸説ありますが、はっきりしたことはまだわかっていません。
 
免疫の異常
扁平苔癬の病変部分を切除し、病理組織学的に顕微鏡で観察すると粘膜下に炎症細胞(リンパ球)が多数集まっていることがわかります。このため、何らかの免疫の異常が関与していると考えられています。リンパ球は粘膜にあるケラチノサイト(角化細胞)を標的にしています。
 
ウイルス感染
ウイルス感染がが口腔扁平苔癬の発症と関連するという説もあります。候補となっているウイルスはヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、C型肝炎ウイルス、EBウイルスです。C型肝炎の患者や抗HCV抗体陽性者に口腔扁平苔癬が見られることが少なくなく、C型肝炎ウイルスが発症に関与している可能性があります。
 
歯科金属アレルギー
皮膚の発疹や掌蹠膿疱症といった病気の原因が歯科金属アレルギーである場合があります。扁平苔癬との関係も疑われていて、金属を除去すると扁平苔癬が消失する例があります。
 
薬剤
金製剤、ヒ素製材、サイアザイド利尿剤、パラ安息香酸、抗結核剤などの影響で扁平苔癬が生じることが報告されています。これらの薬物を中止すると扁平苔癬が速やかに消失します。
 
糖尿病
糖尿病患者に口腔扁平苔癬が見られる割合が高くなっています。糖尿病が原因となっているかどうかはわかりませんが、糖尿病により粘膜の傷の治りが遅くなることは関係しているようです。

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