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口腔顔面痛2

症状・病態 2020年05月29日

口腔顔面痛の特徴は、その原因が多岐にわたることです。神経の病気や外傷、感染が原因の場合もあれば、身体の他の部位に原因があり、その影響で痛みが生じる場合もあります。また、原因不明のケースが多く見られるのも口腔顔面痛の大きな特徴といえるでしょう。加えて、口腔顔面痛にはズキズキする鈍い痛みが続く場合と激しい痛みが走る場合とがあり、たとえば近年増え続ける顎関節症では慢性的な痛みのほか、感覚の異常などを訴えるケースが多く見られます。
また、精神疾患の一症状として口腔内の異常を訴えるケースも少なくありません。これは脳の中の「痛みを感じる部分」と「感情をコントロールする部分」が非常に近接しているため、感情が痛みの感じ方に大きな影響を受けるということです。事実、うつ病と慢性的な痛みは深く関わっているといわれています。たとえば、落ち込んで気分が沈んだりストレスがかかると痛みは悪化する傾向にあるほか、疲労を感じると神経系統が過敏になってホルモンバランスが崩れ、不快感や痛みが増幅します。これらの現象は疲労物質の蓄積によって体調が維持できなくなり、免疫力が低下して病原体に対する抵抗力が弱まるために、細菌感染などによる疼痛(ズキズキとうずくような痛み)が起こりやすくなることを意味しています。
このように、口腔顔面痛では痛みの原因や痛みのタイプ、そして痛みを感じる部位にいたるまでが多種多様であるため、個々の社会的背景を含めた複雑な要因を考慮した治療が必要となります。

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