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多発性骨髄腫に対する下顎骨切除後に生じた痛み

メール相談 2022年08月16日

【相談者】2012年5月9日  女性 T
80才の義母は多発性骨髄腫で1年半前に下顎右の骨切除手術をしました。術後1年程で痺れは軽減しますと担当医に言われたらしいのですが、日に日に痺れの範囲も下唇全体になり、痛みも強く、口が乾いて開かない時などもあります。半年に一度の診察では、もう治らないと言われた様で薬も無いとも言われた様です。他の口腔外科を訪ねた方がいいのでは?とも思うのですが。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
多発性骨髄腫とは、形質細胞が増殖する血液の腫瘍(ガン)の一種です。血管以外のいろいろな場所に病巣が生じ、骨の場合はエックス線写真に多数の穴開き像が観察されます。おそらく病変が下顎骨に限局したため、右側下顎骨切除術を受けられたのでしょう。
下顎骨の内部には下歯槽骨神経が走行しているため、手術の際に神経が損傷されて麻痺が生じたと考えられます。「痺れは軽減します」という言葉から、神経の切断には至らないものの、何らかの損傷が加わったことは確かでしょう。
神経の損傷は時間の経過とともに徐々に回復する場合もありますが、永久に回復しない場合もあります。しかしいずれのケースであっても、神経損傷による麻痺では「神経障害性疼痛」とよばれる痛みや違和感が生じます。これらの痛みに対しては抗うつ薬や抗けいれん薬、漢方薬、はり治療などが有効なので、一度ペインクリニックでご相談されることをお勧めします。
【相談者】2012年5月10日  女性 T
この度は早々に回答をいただき、ありがとうございました。痛みが少しでも軽減出来る事を願い治療法を探してみます。

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