東儀洋先生(赤羽牧洋記念クリニック )の症例は有痛を主訴としていました。また、月経が近づくと胃痛、落ち込み、イライラが生じるという月経前症候群が見られました。
冷えやむくみ、下痢、イライラ、不眠、疲労と、寒湿、血虚、血瘀、気虚、気滞の症状が見られました。この症状を見ると当帰芍薬散の適応化と思えます。しかし、「お腹が張りやすい」という症状も見られ、当帰芍薬戦ではこの症状まで改善できそうにはありませんでした。東儀先生が処方されたのは芎帰調血飲でした。
月経前症候群に対しては頻用される加味逍遙散ではなく柴胡桂枝湯を処方されました。月経前の胃痛は肝胃不和によって生じたものと考えられ、柴胡剤が必要でした。月経周期に応じた症状を急作有時と見なし、柴胡桂枝湯が選択されました。