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小児歯科

治療法 2020年10月08日

いまお話した通り虫歯は人間特有の病気であり、食生活との密接な関連性が指摘されています(図2)。そこで、次に虫歯予防の基本となる食生活についてお話しましょう。まず第1のポイントは糖分の摂取頻度を抑えること、つまりだらだらと飲んだり食べたりしないことです(図3)。次に第2ポイントとして、就寝前に飲食しないことが挙げられます(図4)。睡眠中は唾液の分泌が減り、虫歯になりやすい危険な時間帯だからです。

虫歯と虫歯予防のための食生活について

虫歯とは、口腔内に棲息する様々な細菌が歯に付着して酸を生成することにより、歯を溶かした(歯のカルシウム分が溶け出した=脱灰した)状態のことをいいます(図1)。通常この現象はお口の中のpHが5.5以下の強い酸性状態になった場合に起こります。
お口の中も含めて人間の体はpH7前後の中性状態に保たれていますが、食事を摂ったり飲み物を飲んだ後はpHが急激に低下し、5.5以下の酸性状態となります。この状態が続くと歯が脱灰されて虫歯ができてしまうのですが、幸いなことに唾液には緩衝作用(酸性やアルカリ性の状態を中性に変化させて保つ働き)があり、飲食後の酸性状態を速やかに中性状態へと戻してくれます。見方を変えると、虫歯の進行は唾液の量や緩衝能
キューピッド力といった個人の体質に左右され、大きな差が生じるということができます。

ステファンカーブ
図1 食事による口の中の酸性化と中性への回復(ステファンカーブ)
この図の横軸は時間・縦軸はpH(酸性・中性・アルカリ性を表す単位)を表します。食事をすると、pHが5.5以下の酸性になり、歯を溶かします(脱灰⇒赤の部分)。食事後時間が経過すると、唾液の働きで中性に戻り、歯が溶け始めた部分にカルシウムが再び取り込まれpH5.5以上の中性の状態に戻ります(再石灰化⇒青の部分)。

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