口腔治療学教室の竹立匡秀講師の講演です。歯周病によって失われた歯槽骨を再生するためには「細胞」「増殖因子」「足場」が必要です。増殖因子にはエムドゲイン、bFGF、PDGFがあり、足場には自家骨、生体由来同種骨、異種骨、人工骨があります。しかし、細胞については実用化されているものがない状況です。
竹立匡秀講師は脂肪組織由来幹細胞を用いる歯槽骨再生法を研究し、臨床応用しました。へその下の皮下脂肪より脂肪組織を約10-20g 採取し、培養して増殖させ、EDTAで分離してさらに増殖させてシート状にします。この細胞シートは脂肪組織由来幹細胞の一種であるADMPCというものです。実際の歯周病患者にこの間細胞シートを移植したところ、骨欠損部に骨の再生が見られました。
竹立匡秀, and 村上伸也. “歯周病治療の最前線.” 生産と技術= Manufacturing & technology 72.1 (2020): 51-56.