一度抜髄して根管治療を終えた歯が痛んだり、根元が腫れたりした場合には、「感染根管治療」を行う必要があります。しかし、感染根管治療は抜髄と比べて成功率が低いうえ、治療期間が長引く傾向にあります。
また、感染根管治療が必要な歯は難しい問題を抱えているケースも珍しくありません。例えば、抜髄の際に使うファイルやリーマーというらせん状の針のような器具が、折れた状態で根管内に残っていると、器具の周りに細菌が付着して繁殖し炎症を起こすため、除去する必要があります。しかしながらその作業はとても難しく、歯科用マイクロスコープで根管内をのぞきながら、除去専用の超音波チップを使わない限り、完全には取り切れません。
また、抜髄の際に見誤って根管の壁面に穴を開けてしまう「根管穿孔」が生じているケースもあります。その場合は治療後も痛みが続き、粘膜が腫れたり歯槽骨が溶けてなくなったりしているため、感染根管治療の際に根管穿孔部を消毒して閉鎖する必要があります。その際、MTAというセメントの一種を用いることにより、治療をスムースに進めることができます。
ただし、どんなに手を尽くしても感染根管治療が100%成功するとは限りません。その場合には次の手段として「歯根端切除術」や「意図的再植術」を選択することになります。
治療費 前歯69,120円、小臼歯79,920円、大臼歯89,640円