ひぐち歯科、口腔外科・口腔内科メディカルインフォメーション |

電話:072-646-8445

慢性瀰漫性下顎骨骨髄炎

学会・研究会 2019年06月07日

下顎骨骨髄炎は通常、虫歯が悪化して細菌感染が根尖外の下顎骨に拡大して生じます。慢性瀰漫性下顎骨骨髄炎は細菌感染とは無関係に生じる病気で、自然免疫の異常により炎症反応が自然発生して臓器を傷害する自己炎症症候群の一症状であると考えられています。
下顎骨骨髄炎に対しては抗生物質の投与や顎骨切除が行われます。この症例でもこれらの治療が行われましたが、症状は改善しませんでした。アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の効果は限定的で、ステロイドや免疫抑制剤も効果不十分でした。疾患修飾性抗リウマチ薬(メトトレキサート)やビスフォスフォネートは消化管潰瘍の副作用が出て中止されました。
最終的に効果があったのは生物学的製剤である抗TNF-α製剤(インフリキシマブ)でした。炎症反応を引き起こすTNF-αをインフリキシマブは中和し、TNF-α産生細胞を破壊します。また、骨吸収に関与するIL-6の産生も抑制します。

manseibimansei

ページの一番上へ