痛みが生じそれが長期に渡って持続すると「恐怖―回避モデル」という悪循環に陥りやすくなります。これは次のように説明されます。痛みが続く間に脅迫的な情報を得たり否定的な感情を覚えたりすると「もう治らないのではないか」と悲観的な感情を覚えます。すると痛みへの不安や恐れが増し、過剰な警戒心が生まれて「回避行動」をとるようになります。その結果、廃用萎縮や機能障害、うつ傾向となり、痛みがますます長期化することにつながります。
恐怖―回避モデルにはこのような破局的思考と回避行動が特徴的に現れるとされます。破局的思考には反芻、無力感、拡大視があります。反芻とは痛みのことが頭から離れなくなることです。無力感とは痛みをどうすることもできないと諦めることです。拡大視とは痛みがもっとひどくなると予想することです。
痛みに対しては歩く、体操する、ストレッチをするといった運動が効果的ですが、痛みが悪化するのではないかという恐怖から運動を回避することが少なくありません。このような回避行動も痛みを長引かせることにつながります。