2月の新木本塾はコロナウイルス感染症の拡大にもめげずにいつものメンバーが集まりました。この日は岡山市、岡村一心堂病院内科の中圭介先生が11症例を用意されてきたので、これらの症例検討が中心となりました。
11症例の中で4症例が尿路結石症の入院管理です。泌尿器科で手術が予定された症例もありましたが、漢方薬とハリ治療で全例排石し、無事退院となりました。
尿路結石を中医学では「砂淋」「石淋」といいます。脾腎両虚が本態で、湿熱が加わって発症します。気血の宣通・推動により結石が排出されます。
尿路結石症は強い痛みを伴います。湿熱が長く続くと陰が損傷され、筋肉の潤いがなくなり、攣急しやすくなるからです。芍薬甘草湯で急性の強い痛みを和らげます。同時に陰を養います。陰の損傷が陽に及ぶ場合は大建中湯で陽を補います。湿熱に対しては猪苓湯や五淋散で下注します。