7月の中医学研究会の報告です。『中医弁証 常見病典型案例評析』は感冒の5症例目でした。65歳の男性で、高血圧症、冠動脈疾患、2型糖尿病があり、風熱の感冒に罹患しました。高齢者の感冒では宣肺発散することが先決で、収斂させることをすぐにしてはいけません。咳が出ていれば咳を止めるのではなく、咳や排痰を促し、呼吸促迫を良しとします。
この症例では銀翹散加減を5日間服用し、悪寒、頭痛が消失し、発熱も軽快しました。しかし、咳や痰、鼻水は狙い通り続いたままです。6日目からは気管炎丸加減に変更して10日間内服したところ、症状は完全に消失しました。
傷寒論第16 条
「観其脈証,知犯何逆,随证治之」