江部洋一郎著『経方医学』に昼夜逆転の病理が解説されています。衛気は腎と胃で産生され、烝化した津液とともに三焦を通って全身に送られ、潅流・代謝されます。皮の衛気は朝、裏から胸を通って表出して目が覚め、夜、表から胸を通って裏に帰ると眠ります。衛気の運行の時間が前後にずれることにより、皮は衛気の不足をきたし、結果的に昼夜が逆転します。
麻黄附子細辛湯で腎気の不足による後通の衛気不足を補うことにより、朝起きられるようになりました。また桂枝加竜骨牡蠣湯で、胃気の供給不足による腎陰の不足や心包の陽亢を改善することにより、夜眠れるようにしました。