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暴露・反応妨害と反応妨害

学会・研究会 2021年05月28日

事例では小学生男児に見られた不潔恐怖などの強迫性障害が取り上げられました。強迫性障害に対する認知行動療法では、暴露・反応妨害が多用されます。しかしこの事例では暴露・反応妨害は実施されず、反応妨害が実施され、症状が改善しました。
強迫性障害では強迫観念があって、それを打ち消したり緩和したりするために強迫行動が生じます。強迫観念をわざと逆なでするような行動(心の中で想起することも含めて)を暴露といい、強迫行動を禁止もしくは制限、遅延することを反応妨害といいます。
口臭が気になって舌磨きをせずにはいられない口臭症患者の治療をすることがあります。舌を磨きすぎて粘膜が赤くなったり、ヒリヒリしたりしていても、舌磨きをやめることができません。口臭が気になり、周囲の人の表情やしぐさを見るとますます自分が臭いを発生させているという思いが強くなります。どこからにおいが生じているのかと、鏡で口の中を観察すると舌が異常に白いことに気づき、ここから臭いが出ているのだと確信します。そうなると舌磨きが止まらなくなります。
本当に舌が異常な白さなのか、認知再構成するのが正攻法ですが、暴露・反応妨害法で対処することも可能です。舌を磨かないというのが反応妨害です。舌を磨かないで人と話をするとか、舌から臭いなんて出ていないと大きな声で何度も唱えるとかいうことが暴露です。

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