広島県の山本篤志先生(西条ときわクリニック)は「漢方エキス剤で治療はここまでできる」と題して講演されました。12症例発表された中に柴胡桂枝湯の症例が3例ありました。
陰陽不順接
疲れているのに寝付けないという入眠障害の症例です。陰陽不順接は睡眠と覚醒のリズムが乱れる状態であり、柴胡桂枝湯は陰陽のバランスを整えて入眠障害を改善します。
営衛不和
全身皮膚の紅斑と痛みが生じた症例です。衛気は肌の外側に流れる気のことで、邪が侵入するのを見張っています。営気は肌の内部にあって、肌に栄養を供給しています。衛気と営気の調和が乱れて、後半や痛みが生じたと考えられました。柴胡桂枝湯を3日服用し、症状は完全に消失しました。
肝気鼠
胸の中を水が動き回るようなモゾモゾとした感じが続くという訴えです。肝気鼠という言葉の意味が分からないのですが、体の中をネズミが走り回るような感じということでしょうか。肝気が胸で鬱結してこのような症状が生じていると考えられます。柴胡桂枝湯を数日服用したところ、症状は消失しました。