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歯ぎしりに対する抑肝散の効果

論文・記事 2024年05月14日

夜間の歯ぎしりは家族に迷惑をかけるだけでなく、歯痛、知覚過敏、歯周病の悪化、歯の破折、詰め物やかぶせものの脱落、顎関節痛、筋痛、筋肉の凝りなどを引き起こします。歯ぎしりに対してはスプリント(ナイトガード)という装置を作成し、睡眠時に着用してもらいます。しかし、スプリントで歯ぎしりが治るわけではなく、あくまでも歯や顎関節、筋肉を守るためのものです。

この論文では抑肝散を就寝前に内服することにより、歯ぎしりが改善しました。同時に睡眠の質もよくなって、倦怠感も和らぎました。抑肝散は肝の疏泄機能を調整し、気の巡りをよくします。そのため、怒り、イライラ、不眠などを改善します。夜中の1時から3時までは肝の時間であり、肝に働く抑肝散は睡眠中の問題に頻用する漢方方剤です。

椛島浩明, and 貝沼茂三郎. “抑肝散が著効した睡眠時歯ぎしりの 2 例.” 日本東洋医学雑誌 74.2 (2023): 134-138.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/74/2/74_134/_pdf

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