岩崎正一郎先生の講演では歯根破折歯を接着再植する際のさまざまな工夫が紹介されました。接着する前に接着面を根管内も含めてきれいにします。このとき根充剤も取り除いておきます。根管内にファイバーポストを入れた状態で接着面にスーパーボンドを盛り付けて接着します。根管内はスーパーボンドで充填されることになります。
歯根破折した部分の周辺の根表面は歯根膜が失われており、この部分では骨再生が起こりにくいようです。骨再生を促すために歯根膜が失われている根表面にリグロス（歯周組織再生剤）を塗布します。歯根破折に続発した細菌感染により、既に骨吸収が進んでいる場合が多く、骨欠損部に骨補填剤を充填します。この辺りは歯周病に対する歯槽骨再生療法やインプラント治療の際のGBR（骨誘導再生法）とよく似た感覚です。
