被虐待歴、境界性パーソナリティー障害、気分障害がある場合に、抑うつ、不安、怒りなどの気分状態に耐えられないことを気分不耐性といいます。このような場合は痛みについて傾聴することは適切ではありません。傾聴することは痛みを訴える、否定的感情を述べるといった痛み行動を強化することになります。痛みに対してどのように対処したかを尋ねるのが適切です。
気分不耐性や感情回避がある患者さんに対しては、認知行動療法の技法である行動活性化や応用行動分析の技法であるオペラント技法、バイオフィードバック法、呼吸法、漸進的筋弛緩法などを用います。