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汎血球減少症

学会・研究会 2019年12月17日

胸椎骨折で入院した整形外科で実施した血液検査で汎血球減少症が見つかった症例です。汎血球減少症の原因には脾機能、骨髄機能の異常や感染症など種々のものがありますが、抗核抗体、IgG、IgAが高値だったために自己免疫疾患が疑われました。
引き続いて実施された検査で抗SSA抗体、抗SSB抗体が高かったために口腔外科に対診を求められました。唾液分泌量が著明に低下し、口唇腺生検で遠景細胞診潤が高度であったため、シェーグレン症候群と確定しました。汎血球減少症の原因が判明したわけですが、別の問題が見つかりました。
口唇腺組織にダッチャー小体がみられ、MALTリンパ腫が合併していることがわかりました。シェーグレン症候群はドライマウスとドライアイが主症状ですが、皮膚、関節、筋肉、神経、肺、膀胱などに症状が現れることがあります。さらに悪性リンパ腫が発生しやすいことが知られています。私は唾液検査や血液検査、病理組織検査などを行ってシェーグレン症候群を診断していますが、診断後は免疫内科に必ず紹介し、他に異常がないかどうかを確認してもらっています。

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