左側下唇とオトガイ部の痛みと痺れの原因がなかなか判明しなかった症例です。原因不明としてメコバラミン、ATP、ミロガバリンの内服と星状神経節ブロックが継続されました。しかし、痺れが強くなり痛む範囲も拡大していきました。そのため、アミトリプチリン、カルバマセピンが追加されましたが、変化がありませんでした。
発症後5か月ほどして手のこわばりと、レイノー現象と考えられる指先の色が白くなる変化が出現しました。結局、混合性結合組織病(MCTD)と診断がつき、ステロイドパルス療法で痛みや痺れが改善しました。
MCTDは全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎に類似した自己免疫疾患です。MCTDが三叉神経障害を生じさせた理由はわかりませんが、栄養血管の血管炎による循環障害、免疫複合体の沈着による神経障害が疑われました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjop/13/1/13_63/_article/-char/ja