神経終末に発現しているTRPチャネルは温度刺激、酸の刺激、スパイスの刺激痛み刺激などを痛みや痺れとして脳に伝える働きがあります。この多機能な(ポリモーダルな)働きと考えられる症例を5症例発表しました。
症例1 何を食べても辛く感じる
「辛い物を食べるととても辛く感じる」「食後も辛さが残る」「何を食べても辛く感じる」「気温に関係なく汗が出る」「舌がピリピリする」「カレーを食べている人の近くで空気を吸うと熱くなる」
TRPV1
症例2 舌が痺れて痛い
「舌が一日中痛い」「塩辛さと酸味がわかりにくい」「わさびや炭酸飲料を口にすると痛む」
TRPA1
症例3 顔面と舌がピリピリと痛い
「ミントのタブレットをなめると舌痛が和らぐ」「アセトアミノフェンを内服すると痛みは軽減する」
TRPM8、TRPA1
症例4 歯茎の違和感と痛み
「氷を食べたりアイスを食べたりするとすごく楽になる」
TRPV1、TRPA1
症例5 口の中全体が痛い
「熱い物、刺激物を食べるとかっと口の中が熱くなる」「氷で冷やすと痛みが紛れる」「口内の痛みが酷いときは味覚が鋭くなり、塩味が増す」「デュロキセチンを服用すると、カーッと熱くなる」
TRPV1