押村憲明先生が紹介された文献です。疾患のスクリーニングに果たす歯科の役割についてスウェーデンの医療や健康、統計に関係する団体や専門家に聞き取り調査をしました。20の団体・専門家に問い合わせたところ、13のそれらから回答が得られました。
結果ですが、糖尿病などの疾患を早期発見するには、歯科を受診中の患者から拾い上げることが有効だという回答でした。潜在的な糖尿病患者や高血圧症患者が内科を受診する割合は高くありませんが、歯科を受診する割合は高いからです。内科の診療時間が平均3分間であるのに対し、歯科では一人当たり30~60分かけていることも、早期発見しやすい有利な点です。
この論文では課題も挙げられています。歯科で糖尿病患者や高血圧症をスクリーニングする方法が確立していないことです。歯科でも簡単にできてすぐに結果が出せる検査としては、尿糖測定や血圧測定があり、日常的に実施すべきだと今回の講演を聞いて感じました。
Friman, Göran, et al. “Medical screening in dental settings: a qualitative study of the views of authorities and organizations.” BMC Research Notes 8.1 (2015): 1-9.
https://link.springer.com/article/10.1186/s13104-015-1543-8