ひぐち歯科、口腔外科・口腔内科メディカルインフォメーション |

電話:072-646-8445

白板症

口腔内科 症状・病態 2016年02月06日

口腔粘膜表面の角化が亢進し、白く変化したものを「白板症」といいます。ただし粘膜が白くなっていても、細菌による汚れ(バイオフィルム)やカンジダ菌、噛み傷、凍傷など原因が明らかなものは白板症に該当せず、はっきりとした理由が認められないものをいいます。
粘膜の角化が亢進していること自体は問題ないのですが、角化層深部の粘膜上皮の細胞の形や大きさ、細胞の並び(組織構築)に異常がある 場合はガンに変化する可能性があります。この状態を「異形成」と呼び、「前ガン病変」の代表的な症状であるため、歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科への受診が必 要となります。
ただし、前ガン病変とはいえ白板症の多くはそのまま変化せず、ガン化するケースは少数です。角化が亢進していても、異形成がなければガ ン化することはありません。また、ガン化の可能性についてはある程度見た目で判断でき、異形成がありそうな場合は病変の一部あるいは全部を切り取り、「生 検」という病理組織検査を行います。そして、組織検査の結果に応じて経過観察の期間を決めたり、手術による切除を行いますが、すでにガン化している場合 は、いうまでもなく手術や放射線治療を速やかに開始します。
治療方法としては切除の他に凍結外科療法、レーザー照射などがありますが、同時に喫煙や飲酒習慣の是正、合わないかぶせ物(不良補綴物)への歯科治療なども行うことになります。

ページの一番上へ