苦み、酸味はわかるが、甘み、塩辛さが分からないとのことで来院されました。解離性味覚障害と診断し、ロフラゼプ酸エチルの内服を開始しました。9日後に来院され、甘み、塩辛さが分かるようになり、舌尖部のピリピリ感も軽快したということでした。
ロフラゼプ酸エチル(メイラックス)はベンゾジアゼピン系抗不安薬です。「ベンゾジアゼピン誘導体が味覚(“おいしさ”そのもの)を特異的に増強する。味覚を脳内で認知する過程に作用する」ことが分かっています。
山本隆. “おいしさのメカニズム.” 総合臨床 53 (2004): 2719-2725.