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粘液嚢胞を摘出した際に生じた粘膜のしびれ

メール相談 2022年01月26日

今年の3月末に、歯科クリニックで、左下唇にできた粘液嚢胞(ねんえきのうほう。 唾液の排出障害によってできる袋状の病気)を摘出してもらいました。傷口はふさがったものの、8ヶ月以上経過した今でも摘出箇所に痺れが残っており、食事する際などに違和感があります。
昨日、歯科クリニックに相談したところ、個人差はあるが時間とともに回復すると言われた。しかし、痺れ具合が軽減してきている感覚はなく、このまま一生痺れたままではないかと不安でいっぱいです。また、摘出前に、痺れが残る可能性があるなどの説明がなかったことも、不安の要因となっております。
痺れはどれくらいの期間で回復するのでしょうか?また、痺れ回復のために何か出来ることがありますでしょうが?
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
下唇に生じた粘液の嚢胞を摘出する際は粘膜を切開し、粘膜下の嚢胞と口唇腺を摘出します。下唇粘膜には細かい神経が網の目のように分布していて、切開すると必ず神経が傷付いて知覚麻痺が生じます。麻痺はいわば手術に付き物であり、避けることはできません。
ただしこの麻痺は切開した付近に限局され、気にしなければ食事や会話を阻害するものではありません。あまり気にせず、麻痺に神経を集中させないことが有効な対処法でしょう。
麻痺の回復期間については個人差があります。数年経過しても麻痺したままというケースもありますが、周囲から徐々に神経が伸びてきて回復するのではないかと推察します。
麻痺を回復させるための特定の方法はありませんが、肩の体操やマッサージを地道に続けると効果があるかもしれません。また、抗けいれん薬やビタミン剤、漢方薬の服用、鍼治療、水素吸引療法が役に立つ可能性はあるでしょう。認知行動療法は麻痺による生活の質の低下の改善に役立ちます。

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