大阪大学予防歯科学教室の坂中哲人先生の受賞講演です。坂中先生は日本口腔衛生学会学術賞を受賞しました。歯周病菌の王様はPorphyromonas gingivalisです。この菌を助ける物質をバイオフィルムの中で共生するStreptococcus gordoniiやFusobacterium nucleatumが産生することを見つけたことが授賞理由です。
Streptococcus gordoniiはオルニチンを産生します。Fusobacterium nucleatumはオルニチンをプトレシンへと変え、このプトレシンがPorphyromonas gingivalisを主役とする口腔バイオフィルムの成熟と高病原化を促進します。
プトレシン(putrescine)は腐肉の臭いと表現される臭いを持ち、口臭の原因物質の1つです。英語では腐敗のことをputrescenceといいますが、そこからプトレシンの名が付いたのでと思います。