栽培化と家畜化にとても恵まれていたのがメソポタミア(肥沃三日月地帯)です。この地域にはエンマーコムギ、ヒトツブコムギ、大麦の3種の穀類とエンドウ、ヒラマメ、ヒヨコマメの3種の豆類の野生種が自生していました。穀類の炭水化物でカロリーをとり、タンパク質を豆類で補うことで他の地域に先駆けて農耕生活が始まりました。小麦や大麦は野生種を改良する必要性が小さく、簡単に栽培できるようになったことが重要な点です。また、牛、羊、山羊、豚の4種の野生種がいたため、家畜化することで農耕が効率化されました。これらの動植物がメソポタミアに存在していたことが、この地域が最初に文明化した理由です。 Zohary, D., & Hopf, M. (2000). Domestication of plants in the Old World: The origin and spread of cultivated plants in West Asia, Europe and the Nile Valley (No. Ed. 3). Oxford University Press.
https://www.cabdirect.org/cabdirect/abstract/20013014838