交流分析は数ある心理療法の中でも有力な方法であり、私のクリニックでも日々の診療に活用しています。この論文では交流分析理論瘀独自の自我状態、透過性調整力、基本的構えについて、精神身体症状とどのように関連するかを大学生を調査対象として調べています。
自我状態、透過性調整力、基本的構と精神身体症状の関連を重回帰分析で計算しました。その結果、自由な子ども(FC)の自我エネルギーが高いと精神身体症状が現れやすいことがわかりました。精神身体症状の中では身体化を示す「心身症状」、不安・緊張を表す「不安症状」、怒り・劣等感を表す「対人関係過敏症状」への影響が大きいことがわかりました。
次に透過性調整力、基本的構と精神身体症状の関連についてピアソンの積率相関係数を算出しました。その結果、透過性調整力が低下すると「不安症状」「脅迫症状」「対人関係過敏症状」が高くなっていました。また、「自己肯定の構え」が低いと「心身症状」「不安症状」「抑うつ症状」「対人関係過敏症状」が高くなっていました。