日本大学口腔内科学講座の野間昇教授の講演です。中枢感作している慢性疼痛患者に痛み刺激を加えると、当然ですが痛みを感じます。痛み刺激と同時に体の別の場所をさするといった条件刺激を加えると、痛みが軽くなります。これは下降性疼痛抑制系が働いて痛みが抑えられたからです。舌痛症患者に熱刺激を加える実験をしてみると、条件刺激による下降性疼痛抑制系の疼痛抑制効果が低下していました。つまり、舌痛症患者は痛みを抑える力が低下しているということになります。
Nishihara, C., Watanabe, K., Ozasa, K., Khan, J., Eliav, E., Imamura, Y., & Noma, N. (2020). Altered pain modulation to noxious heat thermal stimuli in burning mouth syndrome. Oral Diseases, 26(8), 1777-1782.