組織球性腫瘍には悪性のものと良性のものがあり、悪性のものには悪性組織球症、悪性線維性組織球腫、組織球肉腫があります。良性のものにはランゲルハウス細胞組織球症とエルドハイム・チェスター病があります
エルドハイム・チェスター病は骨腫瘍が必発し、尿崩症、眼球突出、黄色板腫、中枢神経症状がみられることがあります。診断されてから32か月以内に60%が死亡するといわれています。
この症例は上顎骨の腫瘍による歯肉腫脹が初発症状で、骨シンチグラフィーで膝関節、脛骨遠位端、大腿骨、上腕骨にも集積がみられました。上顎骨腫瘍摘出後にインターフェロン療法、ステロイド療法、放射線治療が施されました。