シェーグレン症候群によるドライマウスに対しては、唾液分泌促進作用があるM3型ムスカリン受容体アゴニストを処方します。ピロカルビン(商品名:サラジェン)、セビメリン(商品名:サリグレン、エポザック)という薬です。内服を開始すると徐々に分泌される唾液が増加し、6~9か月でピークに達し、その後は増減しません。長期投与すると徐々に効き目が落ちてくる薬もありますが、そのようなことはないようです。
M3型ムスカリン受容体アゴニストによる唾液分泌量の増加は重症例よりも軽症例の方が著明です。程度に差が出るのは、年齢(60歳以上で少なくなる)、病悩機関(2年以上で少なくなる)、刺激時唾液分泌量(1ml/2分未満で少なくなる)、口唇腺病理所見(石川・小守の分類が重度で少なくなる)、耳下腺造影(重度で少なくなる)、耳下腺エコー(重度で少なくなる)でした。腺外所見の有無では違いがありませんでした。また、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体が陽性でも陰性でも違いがありませんでした。