むし歯はプラーク(歯垢)の中に生息する細菌が酸を出し、その酸によって歯が溶けるという現象です。酸を作る細菌の総称がむし歯菌で、ミュータンスレンサ球菌、ラクトバチラス、ビフィドバクテリウム、スカルドビア属、ベイオネラ属、アクチノマイセス属といった細菌が該当します。
ミュータンスレンサ球菌
中でもミュータンスレンサ球菌は、不溶性グルカンという除去しにくいタイプのプラークを作り出すむし歯菌の主役といえます。1~2歳の頃に保護者などの口の中から唾液を介して感染するため、実は早い時期から口の中に入ってきているのです。ただし、ミュータンスレンサ球菌は口腔粘膜には付着することができない性質を持ち、飲食物や唾液とともに食道に送られてしまい、口の中から消えてしまいます。生後半年が経過して乳歯が生えてくるころ、砂糖(ショ糖)で味付けした離乳食を食べると、ショ糖を原材料とするミュータンスレンサ球菌が不溶性グルカンを作り、歯の表面にしっかりと付着できる状態になってしまいます。
感染の窓
生後19か月(1歳7か月)になると、すでに約4分の1の子どもの歯の表面のプラークにミュータンスレンサ球菌が棲みつきます。その後、生後31か月(2歳7か月)になると3分の1の子どもに棲みつきます。この1歳7か月から2歳7か月までの1年間を「感染の窓」といい、この時期に虫歯体質が完成します。逆に言うと、この1年間さえミュータンスレンサ球菌に感染しないように注意すれば、一生むし歯とは無縁で過ごせるのです。以下にその方法をお伝えしましょう。
生後19か月(1歳7か月)になると、すでに約4分の1の子どもの歯の表面のプラークにミュータンスレンサ球菌が棲みつきます。その後、生後31か月(2歳7か月)になると3分の1の子どもに棲みつきます。この1歳7か月から2歳7か月までの1年間を「感染の窓」といい、この時期に虫歯体質が完成します。逆に言うと、この1年間さえミュータンスレンサ球菌に感染しないように注意すれば、一生むし歯とは無縁で過ごせるのです。以下にその方法をお伝えしましょう。