難しい感情に長続きする変化をもたらし、悪循環を打破するためには行動変容が強い武器となります。行動変容により、現在の悪い行動をよい行動に変えたり、よい行動を始めたりすることができます。
行動を変える必要性をそれほど感じない患者さんには行動を変えることによりもたらされる結果に対する期待感を高めていくようにします。行動を変える自信がない患者さんに対しては自己効力感を高めるようにします。
慢性疼痛を例に出すと、痛みに対して何らかの「疼痛行動」をとることが多いのですが、この疼痛行動が結果的に痛みの解決を長引かせています。家事をしている間は痛みを感じないという場合は痛みが出そうな時間帯に家事をするように一日のスケジュールを変えてみるという「反応妨害・拮抗」という方法があります。テレビを見ていると徐々に痛みが生じてくるという場合にはテレビを見ること自体をやめてしまうとかテレビを見る時間を減らすといった「刺激統制」という方法があります。疼痛行動自体をしないようにして痛みを我慢することができれば身近な人間がそれを褒めるという「オペラント強化」という方法があります。