真菌感染が原因の片側性の上顎洞炎で、自然孔が開口していた症例です。辛夷清肺湯の内服と鼻腔洗浄を継続したところ、真菌塊が自然光を経由して鼻腔内に排出されました。肺熱による鼻閉、鼻汁、頬部の熱感、疼痛がある際に、辛夷清肺湯は冷やして排膿させる働きがあります。
辛夷清肺湯
辛夷清肺湯
石膏、麦門冬、黄芩、山梔子、知母、百合、辛夷、枇杷葉、升麻の9味で構成されています。辛夷清肺湯の主役はその名の通り辛夷であり、鼻を開く働きがあります。つまり、鼻詰まりを治す方剤です。石膏と知母には炎症冠部を冷やす働きがあり、黄芩と山梔子が炎症そのものを抑えます。石膏、麦門冬、知母、百合、枇杷葉、升麻には発散作用があり、総合的に後鼻漏がある膿性の鼻汁と鼻詰まりに対して効果的です。