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長谷川先生の歯内療法

学会・研究会 2021年04月03日

湾曲根管を追求する際にはニッケルチタンファイルではグニャグニャと曲がるために手指感覚が得られない欠点があります。その点、ステンレススチールのファイルの方が、根管壁の状態が手指感覚として伝わり好まれるようです。しかし、後者は自由には曲がらないため、湾曲に沿って使うのが難しいという欠点があります。長谷川先生が頻用するのが2㎜ファイルです。これはファイル先端の2㎜を残し、それ以外の刃部をカーボランダムポイントで削り取ってツルツルにすると出来上がります。
化学的根管清掃にキレート剤であるEDTAが使われます。EDTAは根尖付近のデブリ、すなわち有機物を除去するのに用います。無機物である根管壁の象牙質を脱灰するのはいけません。そのため、市販品(15%)を水道水か生理食塩水で希釈して5%に薄め、象牙質が脱会しないようにして用いられています。この5%は根尖付近の有機物を溶かすのに至適な濃度です。
根管の拡大や洗浄が歯内療法の主流となり、根管貼薬はマイナーな存在となってきました。長谷川先生は根管貼薬を見直そうとされています。テラコートリルを貼薬すると、鎮痛効果が高いそうです。

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